A Curious Feeling / Tony Banks |
トニーのソロを聴くのは初めて。通常版とDVD付きと2種類あり、あまり深く考えずに、ま、DVDはなくてもいっかー、尚且つ輸入盤でいっかー・・・と、どこまでもケチった(汗)のだが、なかなか充実してそうな本人の手によるライナーが入っており、これは訳が欲しかったなぁ・・・とチラっと後悔している。DVDもあればあったで満足しただろうし。ただ、あまり入荷がないみたいで、HMVでずっと入荷待ちだったのだが、運よくアマゾンで「一点在庫あり」の表示を見かけ、数日前にやっとの思いで手に入れた。いやぁ、もたもたせずに発売当初に即買いしとけばよかった。
感想はというと「うぉっ!(小さくガッツポーズ付き:笑)」というかんじでしょうか。ジェネシスが好きなら、とりわけWind And WutheringからDukeあたりの鍵盤の音ってたまらないのよねぇ!ということであれば間違いなく気に入ると思う。ボーカルにKim Beaconという人を迎え、ドラムスはジェネシスのサポートメンバーでお馴染みのChester Thompson、他の楽器(キーボード、ベース、ギター)は全てトニーが一人で弾いている。突出して派手に目立つような曲はないけれど、アルバムを通して全体に心地よく身を任せられる・・・そんな作品である。
オープニングのFrom The Undertowというインストナンバーは「And There Were Three(そして3人が残った)」に入っているUndertowが元々長かったのでそこから持ってきたパートであるようだ。なるほど、雰囲気的に似てますな。あとライナーを最初のあたりだけちらっと拾い読みして興味深かったのは、ピーターが抜けてジェネシスの存続が危ぶまれた時点でソロアルバムの構想があって、「Trick Of Tail」に入っているタイトル曲とMad Mad Moon、それにRobbery, Assault and Batteryはソロ用に作った楽曲だったらしい。ほほぅ~。ピーター脱退の時点でジェネシスは解散していた可能性もあったわけだから、もしそうなっていたら・・・?そんなことを考えながらこのアルバムを聴くのもいいかもしれません。
全体を通していいかんじだけど、特にツボだったのはYouという曲の後半部の鍵盤がたいそうIn The Cageっぽくて、ぐぐっときちゃいました。
トニーはメンバーの中ではソロでのセールスが一番振るわなかった人のようです。何よりジェネシスサウンドの要でキーマンだった彼なのに、グループではよくてもソロでは空回りしてしまうのでしょうか。器用貧乏などと言われることも多いみたいだし・・・。まぁ、でも売り上げに繋がろうと繋がるまいと、この1stソロはジェネシスファンにとっては大満足の一枚だったと言えるのではないでしょうか。