Songs In The Key Of Life / Stevie Wonder |
自分にとっては「ホッター・ザン・ジュライ」がリアルタイムで(シングルではその前のSend One Your Loveあたり)「キー・オブ・ライフ」は全くの後追いだったのだが、前回も書いたように今を遡ること25,6年前(?)ダビングしてもらったテープを聴いていたはずなのだ。そのテープは残念ながら今はもうどこかへいってしまったが、なんだかボリュームがすごくて、しかも濃厚な印象で、お馴染みのヒット曲はともかく、アルバムを通して聴くのはちょっとしんどかった覚えがある。
そんなわけでかなり久々なSongs In The Key Of Life、自分的には殆ど初めて聴くような覚悟(?)だったのだが、やっぱり遠い昔に少しでもかじったことがあるからなのか、初めてという感じではなかった。(ま、当たり前っちゃ当たり前か:笑)
ライナーを読んでヘェーと思ったのは、このアルバム、2枚組だとばかり思っていたのだけど、LPではLP2枚+EPの3枚組というちょっと変わった構成でのリリースだったそうな。新譜を組みモノで出すというパターンは珍しいのではないかと思うのだが(あくまでも自分の知る限りは・・・であって、探せば実は結構あるのかもしれませんが)やっぱり曲を書きすぎてしまって、一枚に収まらなくて、でも時期をずらして一枚ずつ出す、なんていうのももどかしく、当のアーチストは「これが今のオレなんだ、さぁ聴いてくれ、どれも力作だから一枚ずつにバラけさせるなんてとんでもねぇ!さぁさぁ、とにかく聴いてみてくれ。どんなもんだい!(鼻息荒っ)」
--とかなりボルテージ高めでキッパリとした自信に満ち溢れ、何よりも溢れ出る創作意欲がハンパじゃなく、そしてコワイものなど何もなし・・・といったかなりハイな状況下にあるはずだ。
何が言いたいのかというと、この時期のスティーヴィー・ワンダーは創作意欲が全開バリバリで、とにかくやたら凄いということですね。コレ、ベスト盤じゃないの・・・?と錯覚してしまいそうな位、楽曲良すぎで、凄い凄いと聞いてはいたけど結構な衝撃でございました。
ビーチボーイズのブライアン・ウィルソンがGod Only Knowsを「この曲は神の啓示を受けて書いた」というコメントを残しているが、スティーヴィーの場合も何か神がかっているというか、そういうスピリチュアルなパワーを得ながら曲を書いていたのでは・・・と思ってしまう。対訳はまだよく読んでいないのだが、人種問題をテーマにした歌などかなりヘヴィで、後年♪Evony and Ivory~♪なんてポール・マッカートニーと和やかに(笑)デュエットしている姿なんてこの作品の彼からはちょっと想像できない位だ。「神」「愛」「怒」「命」・・・このアルバムを聴いているとそんな単語が浮かんでくる。言うまでもないことだけど、歌唱力も凄すぎ。
いや~、なんかこの分でいくと「ファースト・フィナーレ」「インナーヴィジョン」「トーキング・ブック」と遡ってしまいそうでコワイ(?)です。