Lawyers In Love / Jackson Browne |
この「Lawyers In Love」は1983年リリース。初の全米No.1を獲得した前作「Hold Out」(1980年)から3年、彼の通算7枚目にあたるアルバムで、それまでのパーソナルな内面を掘り下げた繊細な歌詞や、奥深い作風からの大きな変化が見受けられ、ファンをおおいに失望させたのでした。ぶっちゃけ「ジャクソン・ブラウン歴代ワーストアルバム」に真っ先に名前が挙がってしまうことも容易に想像できる、と思われます。
カレンダー
カテゴリ
以前の記事
2024年 03月 2024年 02月 2023年 12月 2023年 10月 2023年 08月 2023年 07月 2023年 06月 2023年 05月 2023年 04月 2023年 03月 more... リンク
お気に入りブログ
最新のコメント
最新のトラックバック
検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
2015年 03月 24日
30年ものブランクを経て、このアルバムを改めて聴き直してみる気になるなんて、つゆとも思いませんでした。きっかけは先日のジャクソン・ブラウンの来日公演。名古屋から始まったジャパンツアーの東京2日目、通算3回目のステージのアンコール3曲目に、なんとこの中から"For A Rocker"を演奏したのです。 この「Lawyers In Love」は1983年リリース。初の全米No.1を獲得した前作「Hold Out」(1980年)から3年、彼の通算7枚目にあたるアルバムで、それまでのパーソナルな内面を掘り下げた繊細な歌詞や、奥深い作風からの大きな変化が見受けられ、ファンをおおいに失望させたのでした。ぶっちゃけ「ジャクソン・ブラウン歴代ワーストアルバム」に真っ先に名前が挙がってしまうことも容易に想像できる、と思われます。 そんな作品の中からの演奏ということで・・・驚きましたとも、ええ。曲が始まり何のイントロかしら?と、しばし熟考(笑)。ただ、軽く30年位は聴いていなかったにもかかわらず、曲名ももちろんアルバムタイトルも、ちゃんと思い出せた自分に驚きもしました。 確かに聴かない作品ではある。人気がないのも頷けるか・・・と。私もあまり好きではない。だからこそずっとほったらかしだったのだ。あと、彼の作品はLPで買った分の大半はCDに買い直したのだけど、これとその次の「Lives In The Balance」('86リリース)だけは買い直してない。だから余計に聴かない。でも、好きではないからといって、当時あまり聴かなかったのかというとそれは違う。結構よく聴いていたんだな、これが。(だから覚えていたのだろう)これは私が最初に買ったジャクソン・ブラウンのアルバムである。それまでシングルヒットはラジオで聴いて知っていて、それなりに好きだったけど、LPを買ったのはこれが最初だった。なのでなんだかんだ思い入れは強い。その当時よく利用していたミスタードーナツの店内で"Lawyers In Love"や"Tender Is The Night"がしょっちゅう流れていた。LPを買うに至ったのはそんな「ミスド効果」も大きかったと思う。 他のそれまでの70年代の名作についてはその頃は知らなかったし(数曲のヒットシングルのみ)、比べようがなかったこともあり、このアルバムをなんだかんだ気に入って当時は愛聴していたのだ。極評されていることも後で知った。そう、素直にいいアルバムじゃないか、と自分としては思っていたのである。その後、時代を遡るように70年代の作品を知り、そっちに夢中になってしまってから、案の定(笑)この作品を手に取ることは滅多になくなってしまいました・・・とさ。 確かに時代を感じさせる。いかにも80年代風のサウンドである。バックミュージシャンを一新させ(ディヴィッド・リンドレーは参加せず)、ジャクソンはこの頃LAにスタジオを借りて、あまり音を重ねないライブ感覚を重視した作風を目指していたようで、全体的にシンプルで明るく、カラリとしたウエストコーストロックに仕上がっている。故に(?)能天気(笑)な印象もなくはない。 1stシングルとなった"Lawyers In Love"は当時のレーガン政権を皮肉った、政治的メッセージを内包したさきがけのような作品で(政治色はその次の「Lives In The Balance」から色濃くなっていく)、メロディ、サウンド的には非常に聴きやすくて、シングル向きだったのにもかかわらず、これまでのパーソナルで繊細な歌詞とは打って変わって軽妙で毒気のあるジョーク、風刺が前面に押し出された歌詞がやはり不評だったのだろう。歌詞を無視して純粋にメロディだけ聴いていると、何がそんなにイケナイのかしら・・・と思ってしまうのですけどね(笑)。 個人的にはちょっと切なげな"Tender Is The Night"(2ndシングルになりました)と、明るめな楽曲が占める中、唯一重苦しい"Say It Isn't True"が大好きで、この2曲を特にしつこく(笑)聴いた覚えがあります。明るい楽曲はそれはそれで好きなのですが、重苦しいものもないと、ちょっと身の置き所がないというか、ひたすら軽すぎる気もして、この曲の存在は救いだったように思います。 改めて聴いてみると、不評だったのはとても頷けるのですが、何しろ自分にとっての最初のジャクソン・ブラウンだったこともあり、庇いたい(?)気持ちになるのも事実です。色々あって、色々やってきて今のジャクソン・ブラウンがある・・・。そう思うと大事な作品のひとつだと思えるのです。
by aki_hitorigoto
| 2015-03-24 17:25
| アメリカン・ロック
|
Comments(0)
|
ファン申請 |
||