Totoは1978年にアルバムデビューを飾っているそうで、正にこの頃ラジオの全米チャートを聴き始めた私には、忘れもしない愛着のあるバンドである・・・と言いたいところなのだが、実際にはアルバムもシングルも一枚も持っていないし、借りたこともなかったし、FMからカセットテープに”アフリカ"や”ロザーナ”位は録音した記憶はあるけど、そんな程度だ。興味を持って聴いた事など一度もなかったような気がする。(冷たいのね)
正式には全部大文字でTOTOと表記した方がよいのだろうか。それさえもわからない。TOTOだとやっぱりどうしてもトイレの便器を思い出してしまいますね(汗)。まぁ、覚えやすくてよい(?)のですが、Totoと小文字も混ぜると「いかにもトイレ」にはならないので(?)その方が良いような気も・・・。片仮名で「トト」だと犬の名前(「オズの魔法使い」の主人公の愛犬はこの名前だったのでは?)みたいだし。まぁ、でもここは潔く全部大文字でいきますか。
TOTOは確かにヒットはしていたし、騒がれていたという記憶がある。凄い新人バンドが現れた!みたいな空気ではあった。バンド名こそチープで変(失礼!)だったけど、実はボズ・スキャッグスのバックバンドをしており、個々が実力派のスタジオミュージシャン集団なんだ、なんていう素性も伝わってきた。そう、聴けばそこそこハマってはいたかもしれない。シングルヒットしたものぐらいしか知らないけど、少なくとも拒絶するような音ではなかった。ではなぜTOTOに行かなかったのか、といえば決定的な理由は思い浮かばない。カンサスやボストン、ELOやスティクスには行ったけど、TOTOやジャーニー、フォリナーへは行かなかった。こうして羅列してみて、この違いが何なのかは自分でもわからない。みんな一緒くたに一時は「産業ロック」なんて呼ばれている分野ではあったのだけど。
前置きが長くなりましたがTOTOのアルバムを初めて聴きました。息子が図書館から借りてきたものを又借りした、というオールタイムベスト(
In The Blink Of An Eye 1977-2011)なんですが、これが2枚組で聴き応えタップリで、曲の解説もとても丁寧なので、なりゆき(?)とはいえガッツリ聴いてみようか、という意欲が沸いてきました。というのも、11月にリンゴ・スター&ヒズオールスターバンドのライブが控えており、スティーヴ・ルカサーも来る、ということは当然TOTOの曲も何曲かやるわけですからね。その予習の意味でも少し気合が入ります。とはいえ、演奏されるのは多分超有名な”ロザーナ”や”アフリカ”あたりでしょうから、予習はどっちでもいいのかもしれませんが、せっかくの機会なので、しばしTOTOと向き合うのも良いのかもしれません。
本当にTOTOのことは何も知らないに等しいので、Wikiを読んだのですが、ざっくりと学習(?)したことは「メンバーチェンジが多い」「出たり入ったりの人も多い」「ゲストミュージシャン的な人も多い」「デビュー当時から(若かったのに)上手」「一度解散もしている」「他界しているメンバーがいる(2人)」ーーといったところでしょうか。ジェフ・ポーカロが亡くなっていることは知っていましたが、もう一人マイク・ポーカロも亡くなったのですね。しかも2015年って去年じゃないか!ネットのニュース等で読んでいるはずなのに、何で知らなかったのだろう(汗)。で、全体を聴いてみての感想ですが、長くやっているだけあって、やっぱり多彩。ボズ・スキャッグス繋がりからAORというイメージも強かったし、そういう側面も初期の頃はあるのですが、マイケル・ジャクソンばりの歌声が炸裂するソウルフルなナンバーもあったりして、意外なかんじも(ボーカルはジョセフ・ウィリアムス)。それから何曲かインストゥルメンタルもあるのだけど、これが良い。ちょっとスペイシーというか、プログレっぽくて時代を感じて、それがまたいいんだよね。
ちなみに一番懐かしく、且つ新鮮に響いたのが1stアルバムからの1stシングル、”ホールド・ザ・ライン”。当時はどうということもなかったはずなのに、イントロのピアノといいサビの清々しさといい、ヌヌヌ!と目を見張ってしまいました。
このアルバムはブックレットの曲目で「何々のアルバムより」という文字の表記だけではなく、アルバムジャケットがアイコン的に併記してあってそれも良い。そういえば1st、3rd、4thあたりのジャケは印象的だったなぁ。それだけ売れたってことにもなるのでしょうけど。持ってもいないのに、ジャケだけで妙な懐かしさを覚えてしまう(笑)。
(左から1st、3rd、4th)