ワールド・プレミアムライブ~キャロル・キング&ジェームス・テイラー |
キャロル・キングもジェームス・テイラーも自分にはなじみの薄いアーチストです。
なのであまりガツガツ(?)観たいと思っていなかったのですが、昨年(でしたか)二人が来日した際の評判がすこぶる良くて、へぇー、そんなに良かったんだー・・・と、何気に気になっていたことは確かでした。
キャロル・キングは「つづれおり」を聴いた程度(所有はしてない)。もちろん名盤だと思ってます。
ジェームス・テイラーに至っては真っさら。何も分かりません(汗)。知名度はめちゃくちゃ高いのに。あの「アップル社」からデビューだってしてるのに。なんだか「正統派シンガーソングライター」というイメージが強くて、ってことは大人しめで地味で退屈・・・なのでは?という勝手な思い込みが先行してしまうせいか、どうにも手が伸びずにいたのです。似たようなイメージの人といえばジャクソン・ブラウンが思い浮かぶ方も多いかと思いますが、ジャクソンは何の抵抗もなくすーっと大好きになれました。昔から聴いてきているせいなのかなぁ。ジェームス・テイラーも若い頃からちゃんと聴いていればヘンな先入観なんか持たずに来れたのかもしれませんが。
さて、一応観ておこう・・・というスタンスだったこの番組。どんなライブかというと「Troubadour Reunion 2007」というタイトルなのです。
トルバドールといえばいわずと知れたロサンゼルスにあるライブハウスで、ジャクソン・ブラウンやイーグルス、リンダ・ロンシュタット、J.D.サウザー等を輩出した伝説のライブハウスとして有名です。70年代前半、キャロルとジェイムスもトルバドールのステージに一緒に立っており、30数年の時を経て再び同じ場所で二人で演奏しよう・・・という、懐かしの「再会」ものですな。それにしてもトルバドールというのは今でも昔と同じように同じ場所で変わらずに営業しているのですね。もうとっくになくなっているのかと思っていました。で、この日一回だけのリ・ユニオンの予定だったのが、評判がすこぶる良くて、ワールド・ツアーにまで発展したそうです。おかげで日本でもこんなに贅沢なステージが実現したわけなのですね。
繰り返しになりますが「一応見ておこう・・・」という程度のスタンスでした。
なので一回観たらもう消してしまおう、と思っていました。しかし・・・消せません。
なぜ来日公演を観た人たちが皆口を揃えて絶賛するのか、その片鱗を見た気がしました。二人に対する思い入れなんて殆ど無いに等しい、私のような人間でも、です。
キャロル・キングはとっても楽しそうで、本当にその笑顔を見ているだけで癒される気がしました。30何年かぶりで演奏をちゃんと覚えているか?というインタビュー(音声だけですが)には「指先と魂が覚えてる」と応えており、これは明言だなぁ・・・と、ちょっとぐっときちゃいました。
キャロルもそうですけど、ジェームス・テイラーは声が素晴らしく、へぇー、こんないい声の持ち主だったんだ、とビックリでした。(なんせ「真っさら」だったもんで:汗)キャロルとジェームス、ほぼ代わりばんこに歌い、ジェームスの曲はやっぱり知らない曲ばかりだったけど、そんなことはどうでもよくて、なんだか音楽の持つ温かさ、ぬくもり、パワーのようなものが感じられる、本当にいいステージだったと思います。You've Got A Freindでは不覚にも目頭が熱くなってしまいました。
こんなご時世でもあります。音楽の持つ温かさ、ぬくもり、そしてパワーが明日への活力となってくれることを願って止みません。