The Lamb Lies Down On Broadway/Genesis |
ジェネシス全作品の中でもおそらく一番有名なのではないだろうか。看板男だったピーター・ガブリエルはこの作品を最後にジェネシスを去っている。
さて、一番有名だし評価も高いアルバムだというのに、ジェネシスにのめり込むにあたって、私はこれにはすぐに飛びつくことはしなかった。2枚組でしんどそう、というのがその理由だが、それ以上にファンの間でも「好き嫌いが分かれる作品」だと聞き、その点も引っ掛かっていた。
内容はコンセプトアルバムになっており、全体を通じて難解そうなロックオペラになっている。私が買ったのは輸入版で、解説も載っているのだが、もちろん訳はないので、内容はわからない。でも、日本語で読んでもやっぱりよくわからないらしいので(笑)内容を追求するのは止めた方が無難なのかもしれない。詞は全てピーターが書いたと言われており、ガブリエル色がこれでもかというくらい強く押し出され、殆どピーターのソロでは?とまで言われているようだ。他のメンバーとの衝突も相当なものだったらしいが、まぁ、彼はやりたいことをやって脱退したってことになるのかな。前作までは割とインストパートが多く、演奏面での聴かせどころも随所にあったのだが、これは殆どがボーカルパートが占め、とりわけ前作(Selling England By The Pond)の"Firth Of Fifth"や"Cinema Show"といったアンサンブルものが好きな人にとってはちょっと戸惑うかもしれない。
私が聴く前に抱いていたカブリエル期ジェネシスのイメージはまさにこんなかんじだ。難解でエキセントリックで翳りがあって孤高なサウンド。もし、一番初めにこれに手を出していたら、もう引いてしまって後が続かなかったかもしれない。
ジェネシスの音はどれもすぐに馴染んではくれない。時間がかかる。コレもまだ今4回目を聴いているところで、好きな曲もあるけど、なにしろ2枚組ということで長いし、中だるみもする。時間がかかっても他の作品同様、いずれはしっくりと馴染んでくれるんだろうか・・・。