昨年12月にリリースされたストーンズの11年ぶりとなる新作です。
ストーンズサイドからの思わせぶりなネットでの告知で、暮れあたりにニューアルバムが出るのでは?と昨年の秋口あたりから噂があったのですが、その正体がコレだったというわけです。でもって中身はブルースのカバー集、ということで・・・うーん、そうきたか。と、自分的には正直テンションは下がったのでした。まぁ、かといってオリジナルのニューアルバムにワクワクと期待を寄せるほどの「熱」も正直持ち合わせていないのだけど、カバー集よりはやっぱりオリジナルの方が聴きたい、と思うもの。しかも何度も書いている(?)ように私はブルースが苦手なのだ。ストーンズからブルースを取ったら何が残るのだ?とファンの方からは怒られそうだけど、いわゆるブルース臭が薄められた聴き易いヒット路線のストーンズが実は好きなのだ。だから(?)ベスト盤とかの方が聴きやすくて、アルバム単位でじっくり聴くことはあまりないかもしれない。(最近は特に)
なのでこのアルバムがリリースされても、あー、出たのね・・・というかんじでスルーしていました。でも、先日BSでこのアルバムの特集をやっており(BS-TBSの「SONG TO SOUL」)、それを観て180度認識が変わってしまったのです。これは聴いてみたい、聴かねば!、と。メンバー全員がインタビューに応えるという形で出演していたのですが、アルバム制作の経緯とかブルースについて熱く語るミックやらキースやら、満足げなチャーリーやらロニーやら、メンバーの充実ぶりがぐぐっと伝わってきて、これは早急に手に入れたい!と、もう次の日には中古屋に走ってしまいました。(中古というところがどこまでもセコいですけど、解説は欲しかったので日本盤で買いました。っていうかそれしかなかったんだけど)
元々こういったアルバムを作る予定ではなく、普通に新作のレコーディングでスタジオ入りしていたところ、肩ならし的に何曲かやってみたブルースナンバーの演奏にハマってしまい、あー、なんて楽しいんだろう、あれもこれも、あ、あとこれも演ろうぜ!--とふと気づけばアルバムができる程の曲数になっていた、ということで、じゃあアルバムで出しちゃおうぜ!・・・という経緯のようです。レコーディングは3日で完了したそうで、オーバーダビングもなしで、いわばスタジオライブといってもよいのでしょう。それからゲストが何気に豪華でエリック・クラプトン(2曲)とジム・ケルトナー(1曲)が参加しています。クラプトンは偶然に同じ日にスタジオの別の部屋で自分の新作のレコーディング中だったらしく、飛び入りで入ってもらったそうです。
やっぱりストーンズは凄い!--単純なことですが改めてそんな当たり前のことを実感できました。なんたって演奏に勢いがあります。小ざかしさ(?)が全くなく、シンプルでストレートでいちいちカッコよくて。ミックのボーカルもいちいち素晴らしく、またミックはハーモニカも吹いているのだけど、ライブであまりそういう姿を見ることはないような気もするので、そういうハーモニカを楽しそうに吹くミックを想像するのも、なんか萌えます(笑)。そして何よりも自分たちが大好きなブルースへのリスペクトがこれでもかという位に伝わってきて、なんだかもうそれだけで、おー、そうかそうか、とこっちまで思わずニコニコと微笑んでしまうのです(笑)。
私ってこんなにストーンズが好きだったっけか?と、じんわりとにじみ出るストーンズ愛(?)にやや戸惑ってもいます(笑)。しかも情報だけでは見向きもしなかったブルースのカバー集でそうなるとは・・・いやはや。このアルバムの全曲再現とかで、ライブハウスやクラブなんかの小さいハコでツアーなんてやってくれちゃったら(日本では絶対ムリだろうけど)悶絶しそうだな。
ストーンズは好きだけどブルースはなぁ・・・と躊躇している方(自分じゃん:笑)に、おすすめです!